全学連第65回定期全国大会が9月23〜25日、東京都内で行われた。全学連は小泉打倒小泉打倒の一年間決戦を宣言し、小泉政権打倒の歴史的決戦を闘う新執行部を選出した。織田陽介(東北大)君をはじめとする新執行部は2日目の議事から白熱した討論を牽引し、熱烈なアジテーションで11・6労働者集会への全国学生1000人結集方針を訴えた。
>>全学連大会議案・討議資料など
全学連新執行部
委員長 織田陽介(東北大学理学部)
副委員長 内海佑一(法政大学二部文学部)
副委員長 原田幸一郎(京都大学法学部)
副委員長 中島敦史(広島大学総合科学部)
書記長 新宅公志(京都大学経済学部) |
■「仮処分停止」の決定かちとり、実力で有朋寮を守った
大会は、まず第一に、9・21「強制執行停止」判決という有朋寮決戦の第1ラウンドにおける完全勝利の地平の上にかちとられた。大会冒頭、ものすごい拍手の中、有朋寮生の7人が登壇した。有朋寮委員長の織田陽介君が代表し、有朋寮闘争の勝利を報告した。
織田君は「9月21日、仙台地裁は『仮執行停止決定』を出した。これは有朋寮闘争の第1ラウンドでの胸のすくような勝利だ」と高らかに宣言した。
そして、「9月1日の寮生たたき出しの不当判決が出された。僕らは『こんな判決に従えるか』『正義は行動によって実現される』と、ただちに実力居住の闘いに入った。この決意の前に大学当局はたじろぎ、9月21日には反動判決を下した裁判長自身が『仮執行停止』の判決を出した」と胸を張った。
織田君は今回の勝利がなぜかちとれたのかを提起した。「第一に、何よりも流血・逮捕を辞さない寮生の決意がかちとった勝利だ。第二に、小泉の民営化攻撃=大学改革攻撃を徹底的に批判し、小泉に怒りを燃やす労働者民衆と結合してかちとった勝利だ。僕たちは街頭に出て、小泉改革は絶対に許せないと訴えた。多くの人びとが僕らの訴えに感動し、こたえてくれた。第三に、暴力的廃寮と無期停学処分によって大学改革を進めようとする東北大・吉本執行部を徹底的に追いつめたことでかちとられた勝利だ」
最後に、織田君は「控訴審闘争に勝利し、東北大・吉本執行部打倒して、廃寮決定・無期停学処分の撤回をかちとっていきたい」と締めくくった。
■歴史的決戦に挑む織田委員長体制を確立
大会は第二に、05年〜07年決戦を切り開く全学連の新執行部を選出した。ここに全国300万学生の総決起をかちとっていく新世代のリーダーが登場したのだ。
大会2日目の議事の冒頭、全学連新中央執行委員会選挙が行われ、小泉を打倒する闘う新執行部が選出された(新役員は別掲のとおり)。
新執行部を代表し、織田委員長、新宅公志書記長(京都大)、中島敦史副委員長(広島大)が新任のあいさつを行った。
織田新委員長は「小泉への怒りから委員長に立候補した」と思いを語った(要旨別掲)。
新宅新書記長は「権力・右翼をぶった切って、労働者が決起する情勢を開きたい。8・15靖国闘争での6人の決起に、靖国に抗議に来ていたアジア人民が日本にも本物の左翼がいると涙した。史上最強の全学連をつくる。この革命情勢に人生かけて闘う」と決意を明らかにした。
さらに中島副委員長が「小泉政権を打倒するための新執行部ができた。小泉に対し、腹の底からの怒りをもって闘う。社会の底辺を支える民衆が社会の表舞台に立てるよう頑張る」と決意を述べた。
大山尚行委員長が退任のあいさつを行った。「われわれは、日本帝国主義の打倒に向かって、国家権力と真っ向から闘い、“闘う全学連”の旗を守り抜いてきた。日共・民青やカクマルが『全学連』などと名乗っていることをもはや許しておくことはできない。織田新体制のもと全国学生運動の革命的統一へばく進しよう」
■11・6労働者集会へ学生1千人決起を
大会は第三に、3日間の白熱した討論を踏まえて、全学連はこの1年間決戦で小泉の戦争と民営化=労組破壊の攻撃に階級的怒りをたたきつけ、その国家主義を打ち砕き、小泉を打倒する闘いに猛然と決起することを宣言した。
大会一日目。大山全学連委員長が大会議案を提起した。冒頭、「小泉政権打倒の1年間決戦への突入」を宣言し、小泉「圧勝」情勢と11・6労働者集会への全国学生1000名決起の核心を以下のように提起した。
「9・11総選挙での小泉・自民党の圧勝、すでに開始されている大反動攻撃のラッシュに激しい危機感と怒りを爆発させることが一切の核心だ。小泉は、この一年間で、郵政民営化の強行を突破口に、自衛隊のイラク派兵の継続、改憲国民投票法案、公務員労働者の大量首切りなど、戦争と民営化・労働組合破壊の大攻撃を一気に激化させてきている。そして労働者階級の階級性を解体し団結を破壊する大攻撃として、『つくる会』教科書や靖国参拝による国家主義・ナショナリズムの煽動が吹き荒れている。だが重要なことは、9・11総選挙によって、大衆が一気に政治化し、活性化していることだ。そもそも小泉がファシスト的な攻撃に出てきているのは、日帝ブルジョアジーが解決不可能の体制的危機に追いつめられているからだ。小泉は労働者階級の激しい怒りと現状打破の要求に追いつめられているのだ。そして他方では、動労千葉の安全運転行動、『日の丸・君が代』強制拒否の教育労働者の決起、杉並から始まった『つくる会』教科書採択阻止の大衆運動、8月自治労大会での自治体労働者の決起など、小泉打倒の闘う結集軸がかちとられてきている。何より有朋寮決戦の勝利が、小泉の大反動と一歩も引かずに対決し、ストレートに怒りをたたきつけて闘うならば、必ず大衆はわれわれとともに小泉打倒に決起することを鮮烈に示した。このような闘いをこの秋、全国大学キャンパスで実現し、11・6労働者集会への全国学生1000名決起をか勝ちとろう。核心は、キャンパスの学生全員の主体的決起であり、それを引き出す小泉に対する怒りのアジテーションであり、労働者階級の現実の具体的階級的暴露を徹底的にキャンパスに持ち込んでいくことである。ここにいる全員がビラをつくり、キャンパスで、サークルで、寮で、小泉打倒を真っ向から訴えて、11・6への総決起をつくりだそう」と提起した。
1日目は、この後、各大学からの大学報告が行われた。
■全キャンパス動かす怒りの扇動やろう
2日目からの討論は新執行部のもとで行われた。
まず原田副委員長が前夜のブロック討論のまとめと今後の討論の方向性を提起した。
原田副委員長は、「ブロック討論で、@小泉の攻撃にわれわれ自身が激しい怒りと危機感をもって闘うこと、A小泉の攻撃の背景には帝国主義の根底的危機があること、Bわれわれが小泉打倒へのみなぎる確信をもって闘えば勝利できることが有朋寮闘争の教訓として明らかにされた」とした。またイラク侵略戦争の泥沼から世界戦争に突き進まざるをえない帝国主義の危機の深さを具体的に暴き、「労働者は生きるために必ず小泉打倒に決起する。その結集軸となるのが11・6だ。これからの討論を小泉打倒の決起集会としてかちとっていこう」と呼びかけた。
首都圏の学生が、今秋イラク反戦闘争の重要性を提起した。「第3次小泉政権は11月インド洋派兵継続と12月イラク派兵継続を強行しようとしている。今回のイラク派兵はこれまでとはまったく質の違う、日帝によるイラク人民虐殺への踏み込みとなる。11・6労働者集会でイラク反戦・自衛隊撤退闘争の新段階を切り開こう」と訴えた。
富山大学の学生は、「米軍再編は、日米帝国主義が日米枢軸をもって世界戦争へと踏み切っていく攻撃だ。それは沖縄基地の再編・強化=沖縄に対する日帝の差別支配によって成り立つ。戦争によってしか延命できない国家は打倒すべきだ」と訴えた。
井上亮前副委員長は八木秀次の「国民の思想」を批判し尽くした。八木の「縦軸の哲学」なるものが、戦後的な価値観、平和と民主主義の弱点を突いて国家主義・帝国主義ナショナリズムを押し出すものになっていることを指摘し、帝国主義を打倒する労働者階級の立場で批判し尽くすことが重要だと述べた。またイデオロギーのレベルで批判するだけではなく、国際連帯と労働者の団結で日本帝国主義を打倒する労働者階級の新潮流を登場させることで実践的に粉砕しなければならない」と喝破した。
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▲大学闘争分科会の様子。 |
午後は、「大学闘争」と「社会科学」の二つのテーマで分科会が行われた。
大学闘争分科会では、有朋寮闘争の教訓が提起された。「全国の大学で襲いかかっている大学改革攻撃に対し、これが小泉構造改革との対決であると不退転の決意を固めて闘えば勝てる」ということだ。参加者は、大学改革攻撃を粉砕する中で、11・6への学生の1千人決起をつくり出すことは可能だという確信をつかんだ。
社会科学の分科会では、マルクス主義の学習は11・6への学生1千人結集を実現する実践的取り組みとして行われなくてはならないことがまず確認された。今日の社会が階級社会であること、資本主義的生産関係の土台を変革しない「改革」などインチキであることを討論の中で明らかになった。マルクス自身の闘いががそうであったように、労働者階級の決起を確信し、労働者階級の闘いをともに進めていくことがマルクス主義の核心であることが鮮明になった。
●白熱した討論で階級的批判磨く
大会3日目、新宅書記長が、「小泉改革の階級的性格をはっきりさせて、学生の主体的決起をかちとれるアジテーションへと練り上げよう」と大会最終日の討論の方向性を提起し、活発な討論が行われた。
まず内海副委員長(法政大)が「法政大は11・6に100人の隊列で結集する決意だ。小泉打倒を訴えたわれわれのビラは、どんどん学生に読まれ、いたるところで政治討論が始まっている。サークル棟建設をめぐる2度の当局追及行動に200人の学生が決起している。法政大決戦に勝ち抜くためにも、闘う労働運動との連帯であり、11・6への総決起が必要だ」と、11・6への熱烈な決意を語った。
東北大学の学生は「帝国主義の命脈が尽き、ブルジョアジーがプロレタリア革命におびえ続けた20世紀」を総括しながら、「小泉の必死さは、このままではプロレタリアートに打倒されるという恐怖から来ている。小泉改革に対して革命を対置することだ」と明快に論断した。
九州大の学生は、「03年3月のイラク侵略戦争開戦時をはるかにこえる反戦闘争の爆発へ猛然と決起することが必要だ。自衛隊の即時撤退、イラク派兵延長阻止は小泉打倒の決定的な環だ。九大は10月熊本からの第8次派兵阻止を先頭で闘い、11・6東京・日比谷へ大挙して攻め上っていきたい」と訴えた。
中島副委員長(広島大)は、小泉の靖国参拝との闘いを訴えた。「靖国の思想はそれけだけで人民を獲得できない。暴力で貫徹してくることに核心がある。僕は8・15靖国神社で、右翼と激突し頭から血を流しながら弾劾のシュプレヒコールをやめなかった。11・6で俺たちには革命ができるんだという確信で、愛国主義・国家主義思想を打ち砕こう」と力説した。
関西の女子学生は「実際にキャンパスでアジテーションをやっていて、私たちの訴えに振り返る学生が増えている。小泉『支持』と思っている学生も振り向くような怒りのアジで、11・6への1000人結集をかちとりたい」と訴えた。
さらに高校生が発言にたち「高校生も負けてはいられない。11・6には3桁の高校生動員をめざす」と熱烈に決意を語った。
最後に、織田委員長が討論のまとめを行い、プロレタリア革命への情熱を込めてインターナショナルを斉唱した。
大会初日、革命的共産主義者同盟の木崎冴子同志が歴史的な全学連大会にふさわしい特別アピールを行った。また多くの来賓からのあいさつ、メッセージが寄せられ、全学連への熱い期待が語られた。東京反戦共同行動委員会代表の三角忠さん、北富士忍草母の会の天野美恵事務局長、部落解放同盟全国連合会狭山支部、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、動労千葉の後藤執行委員が来場し、アピールを行った。
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