女子学生2名への不当逮捕弾劾!


ビラを破られて抗議したら逮捕!?「スパイ防止法」の先取り許すな!

 7月29日、警視庁公安部は全学連で闘う女子学生2名を「暴力行為等処罰ニ関スル法律」(暴処法)違反容疑でっち上げによって、不当に逮捕した。反戦・反核を訴えるビラ配り中に、通行人にビラを破られたことに抗議したこと。それも1年以上前の行為を「集団的暴力」として逮捕したのだ。怒りに堪えない。


戦前の治安法持ち出し逮捕

 今回の弾圧の特徴は「暴行罪」でもなければ「傷害罪」でもなく、「暴処法」であるということだ。そもそも暴処法とはなにか。1900年に制定された治安警察法の中でも、特に17条と30条は当時の法体系の中ですら問題があるとされ、世論に押され廃止となった悪法だった。26年、こうして廃止された治安警察法17条の代わりに制定された戦前からの治安法こそ、「労働組合死刑法」とすら言われた暴処法である。暴処法が「労働組合死刑法」とまで呼ばれたのは「団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示」すこと。つまり、大勢で何かをすること、その場にいること、あるいはその団体に加盟していること、そのことだけでいくらでも弾圧の範囲を拡大することができるからだ。

 だから、暴処法は制定・施行から直ちに、労働運動・農民運動・水平社の運動に適用され、戦後も「東大ポポロ事件」(一審・二審無罪判決)や、「ヒロシマ暴処法弾圧」(原爆ドーム前における反戦・反核集会を妨害する極右に対して、集会を防衛しようとした5名が逮捕される「事件」、現在審議中)など、学生運動や反戦運動に対して適用されてきた。石破政権は、戦争に反対する人々の血にまみれた治安法を、またもや私達の仲間に振り下ろしたのだ。

■警視庁・裁判所に抗議の声を集中させよう!■


■警視庁
大塚署:03-3941-0110(所轄署)
原宿署:03-3408-0110(留置場)
湾岸署:03-3570-0110(留置場)

■裁判所
東京地裁:03-3581-5411


「ヒロシマ」解体許すな

 今回の弾圧は被爆から80年目となる今日、石破政権が「ヒロシマ」の怒りを解体し、米・トランプと一体で中国に対する侵略戦争=核戦争へと突き進む中で行われた。とりわけ、今焦点になっているのが、昨年に引き続き政権・市当局・県警が一体となって行おうとしている原爆ドーム前広場の8月6日朝の封鎖である。市は、原爆ドーム前広場を午前5時から午前9時にかけて封鎖、立ち入りには手荷物検査を必要とするとし、「マイク・拡声器・楽器類」「プラカード・ビラ・のぼり・横断幕等、式典の運営に支障を来すと判断されるものの持込み」を禁止すると打ち出している。
 
 原爆ドーム前広場は、原爆が投下されて以来、被爆者・2世・3世を始め、核と戦争への怒りを訴え、碑文に記された「過ちは繰り返しませぬから」の誓いを文字通り体現する場としてあった。「過ち」とはなにか?広島が軍都としてあり、日本のアジア侵略戦争の帰結として2発の原爆投下があったということだ。「過ちは繰り返しませぬ」とはなにか?日本の戦争を、核戦争をその身を張ってでも止めるということだ。核実験が行われるたびに、被爆者・2世・3世たちは、原爆症に蝕まれる病身を押し、座り込みを行い、核への怒りを実力で示し続けてきた。そのドーム前広場を、よりによって8月6日朝に封鎖するなど許せるか!今回逮捕された2学生はまさに、この不正義を暴露し、多くの学生・労働者とともに8月6日朝の原爆ドーム前集会を撃ち抜くべくビラを配っていたのだ。時事通信が「公安部によると、XX容疑者ら2人は当時、「原爆の日」の8月6日に行われる集会への参加などを呼び掛けていた。」(匿名化は引用者)と報道している通り、2名への弾圧は、広島闘争への予防拘禁的事前弾圧に他ならない。「過ちは繰り返しませぬ」の誓いを最も体現する2学生を絶対に奪還しよう。

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■郵便振替
00190-0-766112
全日本学生自治会総連合

■銀行振込
ゆうちょ銀行 〇一九支店
当座 0766112
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核戦争狙う石破倒そう

 共同通信の7月27日付けのスクープによれば、「自衛隊と米軍が昨年実施した『台湾有事』想定の最高レベルの机上演習で、中国が核兵器の使用を示唆する発言をしたとの設定に、自衛隊が米軍に『核の脅し』で対抗するよう再三求め」「米側は最終的に応じた。」ことがわかったという。

 6月21日に行われたアメリカによるイラン核施設への爆撃に際しても、石破は「事態を早期に沈静化する」「イランの核兵器開発は阻止されなければならない」と、全面的に擁護する発言をしている。核施設への攻撃は、それ自体深刻な放射能汚染を引き起こし得る、核攻撃そのものの攻撃だ。石破の発言は、トランプによる核攻撃を全面的に支持し、一度「台湾有事」が起これば積極的介入と中国への核攻撃をアメリカと一体となって行うことを意味するものだ。核戦争へと突き進む石破政権を打倒しよう!


実力闘争で戦争止めよう!

 参院選では、参政党・神谷宗幣が治安維持法について「『悪法だ、悪法だ』と言うが、共産主義者にとって悪法だろう」と発言し、大問題となった。自民党・国民民主党・参政党は「スパイ防止法」を参院選公約に掲げたが、その狙いこそ、日本が中国に対する侵略戦争へと突き進む中で、まさにかつての治安維持法のように戦争に反対する人々を弾圧し、反戦運動を解体していくことにほかならない。だが、1人の逮捕に対して2人、3人が新たに立ち上がるならば、すべての人を逮捕することなど物理的にも、現実的にも不可能だ。だからこそ、今回の弾圧を打ち破る力は何よりも、反戦運動の拡大の中にこそある。

 6月14日、米軍建軍250年とトランプの誕生日を記念する軍事パレードに対して、アメリカの学生・労働者は “No Kings” を合言葉に全米2100カ所・500万人の反戦デモで反撃を叩きつけた。昨年8月6日のドーム前封鎖に対して、「8・6ヒロシマ大行動」を先頭とする仲間たちは徹夜の座り込みを闘い、ついにドーム前封鎖を実力で打ち破った。問われているのは、戦争を阻止する実力の行動だ。本年8.6ヒロシマ闘争に集まり、ドーム前封鎖を実力で打ち破ろう!2名の仲間を奪還しよう!

■行動方針■


■被爆80周年8・6ヒロシマ大行動'25

●8月5日(火)
21:00~22:00 前夜集会 @原爆ドーム前
以降、終夜座り込み

● 8月6日(水)
6:30~ 反戦反核集会 @原爆ドーム前
8:15~ 黙祷後 首相出席・戦争翼賛式典弾劾デモ
12:30~(開場12:00~) 8・6ヒロシマ大集会 @広島県立総合体育館 小アリーナ
15:00~ 8・6ヒロシマ大行進(デモ行進)