イラン侵略・空爆再開許すな

※5月19日付発行ビラを遅ればせながら掲載します。

 5月14日に北京で開かれた米中首脳会談は、米中が互いをけん制して戦争危機を促進させる場となった。ルビオ米国務長官は、アメリカによる台湾への武器売却が「議題にならなかった」と述べたが、実際には米側が会談を前後して東アジアでの軍事演習を繰り返し、またイランへの攻撃を激化させることで中国を恫喝し「黙らせた」のだ。
 これに先立つ3日には、米軍1万5千人・航空機100機・ミサイル駆逐艦などをホルムズ海峡に投入する軍事作戦「プロジェクト・フリーダム」の実施をトランプ政権が発表。この作戦はサウジアラビアの反発によって一時中止に追い込まれたが、米中央軍は5月上旬にホルムズ海峡に近いイラン南部のバンダルハミルやゲシュム島を空爆したほか、イラン船籍の石油タンカーに相次いでミサイル攻撃を加えて航行不能にさせた。11日には、トランプがニュース番組で「停戦は風前の灯」「イランからのゴミのような文書は最後まで読んでもいない」として「プロジェクト・フリーダム」の再開を検討していると語った。
 米―イスラエルのイラン攻撃は、中東全域で侵略と民族圧殺を激化させている。11日にはイスラエル議会が2023年10・7蜂起に加わったとされるパレスチナ人への死刑適用を可能とする法律を可決させた。虐殺国家のイスラエルが民族解放闘争に決起した戦士を「裁き処刑する」ことなど断じて認められない。一方、レバノンでは4月の「停戦」後にイスラエル軍の攻撃で400人が虐殺されている。パレスチナ連帯とイラン・レバノン反戦を一体の闘いとして位置づけ闘うことが求められている。
 トランプは「イランの次はキューバ」「イランからの帰路で巨大艦船を派遣する」と語り、キューバ沖での米軍機「諜報(ちょうほう)飛行」による威嚇を繰り返している。さらに、キューバが「イラン政府を含むテロ支援国家と緊密な関係を維持している」などとして、ベネズエラ・イランに続いて軍事重圧によるキューバの「体制転覆」を狙っているのだ。
 戦後世界における唯一絶対の基軸国であったアメリカ帝国主義は、もはやその地位を維持できないほどに没落し、自らが「敵対的」「脅威」とみなす国家を「今のうちにつぶす」ために経済的・軍事的力を振りかざして侵略戦争を繰り返す以外になくなった。その最大の標的は、言うまでもなく中国である。米トランプ政権は、世界各地に戦火を放ち、国内では差別・排外主義をあおりながら、日本などの「同盟国」を総動員した中国侵略戦争の本格的発動に突き進んでいるの
だ。

 こうした米トランプ政権の動きを背景に、日本帝国主義・高市政権はイラン参戦への策動を決定的に加速させ、それと一体で中国侵略戦争への本格的準備を急いでいる。13日には防衛相・小泉がホルムズ海峡への多国籍軍派遣を協議する国際会合に出席し、「多国籍軍事ミッションに対する政治的支持を表明」する共同声明に加わった。
 17 日に始まった「陸上総隊演習」は、宮古島に日米共同調整所(司令部)を設置し、石垣島にミサイル部隊、与那国島に偵察・電子戦部隊を展開して実施されている。宮古島で米軍が訓練するのは初めてだ。
 4~5月には米比合同軍事演習「サラクニブ」「バリカタン」が実施され、「バリカタン」にはこれまでオブザーバーだった自衛隊が1400人規模で参加した。日本の戦闘部隊がフィリピンで展開するのは戦後初とされる。演習では、88式地対艦誘導弾の実弾射撃でフィリピンの退役艦を撃沈させた。訓練が実施されたルソン島北部と台湾を挟むルソン海峡は中国軍艦隊が太平洋に航行する際の主要ルートであり、自衛隊による「撃沈訓練」は事実上の海峡封鎖演習だ。日帝はこうした露骨な戦争挑発をやっておきながら、これに中国が抗議すると「(バリカタンは)特定の国や地域を想定したものではない」「中国側の発言は事実に基づくものではない」(防衛省報道官)などと、あたかも中国が過剰反応しているかのように描いて排外主義宣伝を行っているのだ。ベネズエラ、イランで現実に「力による現状変更」を行い、その最大の標的に中国を位置付けて大演習を繰り返す米日帝国主義に「中国軍の台湾包囲演習」を非難する資格は1ミリもない。
 安保3文書の年内前倒し改定をめぐっても重大な動向が続いている。4月27日には改定に向けた初の有識者会議が開催された。会議には学者や基幹産業の重役、マスコミ経営者のほか非核3原則の「持ち込ませず」の撤廃を叫ぶ山崎幸二元統合幕僚長ら自衛隊・防衛省出身者が名を連ねている。山崎は会合後の記者会見で「日本への核兵器持ち込みについても議論すべき」と主張。翌28日の日本維新の会の党内会合では「核抑止」強化が確認され、5月13日の自民党安全保障調査会では「防衛費の国内総生産(GDP)比5%化」を要求する声が相次いだ。
 まさに安保3文書改定は、核配備・核武装も含めて国家と社会のあり方そのものを戦時体制へ転換させ、社会保障も人民の生活も破壊して国力のすべてを戦争につぎ込んでいく攻撃だ。

 重要なことは、この戦争情勢下で多くの人々が危機感と怒りを募らせ、行動を開始していることだ。国会前など各地のデモやスタンディングに青年世代が続々と決起している。「デモに行くのは初めて。もっと早く行くべきだった。これからもデモを続ける」と、国会前に駆けつけた青年たちは口々に語っている。5月3日の憲法大集会には青年・女性を先頭に5万人が結集した。
 高市が憲法への「緊急事態条項」導入を狙うのも、こうした大衆行動の広がりが革命党と結合し、帝国主義そのものを実力で打倒する力へと発展していくことを心底恐れているからだ。歴史が証明する通り、戦時下では戦争反対の声を上げる者は「非国民」や「売国奴」とされ、徹底的に弾圧される。今の国会前デモのような運動も弾圧の対象だ。国家緊急権の発動を通じて政府に権力を集中し、国内の「反乱の芽」を一つ残らずたたきつぶすことなくして、人民を侵略戦争に総動員することはできない。だからこそ自民党は一貫して緊急事態条項を9条破棄と並ぶ改憲の柱に位置付け、どんな「穏健な」運動だろうと暴力的に破壊しようとしているのだ。
 今、求められているのは、この時代に立ち向かう思想・綱領と革命戦略を備えた本物の革命党の登場だ。搾取と貧困、差別・抑圧の根源である資本主義を終わらせ、世界戦争に終止符を打つ革命へ! 全学連とともに闘おう!

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